看護師の転職で注意したい点は、転職する目的を明確化しないまま、漠然とした理由だけで職場を決めないことです。転職先で自分が望んだイメージと実際の職場環境との大きなギャップに悩み、結局は早々に辞めてしまうことにもなりかねません。
採用面接では、前職を辞めた理由や転職する目的を必ずといってよいほど聞かれます。漠然としたままでは不誠実な人物と見なされ、採用見送りになることもあります。
もう1つの注意点は、転職先の規模だけで選ばないことです。例えば大病院への転職希望者の中には、規模の大きさや有名さから来る安心感や安定感など、先入観だけで選ぶ人もいます。
しかし、大病院の医療現場では各種の研修や研究会あるいは委員会など、一人の看護師が数多くの雑務を負っていることも珍しくありません。このため本来の看護業務が終了しても、なかなか帰宅できないケースも目立ちます。転職で勤務時間やプラーベートを重視するならば、この点に注意すべきでしょう。
もちろん小規模な診療所やクリニックへの転職でも、注意すべき点はあります。特にこのようなタイプの医療現場は規模が小さいため、スタッフの移動がほぼない一方で、常に同じ面々が特定の職場で勤務し続けるのが基本です。もし人間関係でこじれてしまうと逃げ場がないため、精神的には負担が大きくなるでしょう。
さらに規模が小さい医療現場では、スタッフの数が十分に確保できていないケースも少なくありません。そのため休診日以外の休みが取りにくい上、1日の勤務時間も早朝から夜間まで、拘束時間が長くなる傾向があります。
もし人間関係や勤務時間を理由に小規模な転職先を選ぶなら、慎重に見極めるべきでしょう。